ホセ・ジェイムズが現在のキャリアにつながったのは、ロンドンでジャイルズ・ピーターソンにデモテープを渡したことがきっかけというのは有名な話ですが、その曲が「Equinox」だったんですね。BBCのレビューで知りました。いきなりですみません。
そのEquinox、ホセが東京のライブで演奏した後にジョン・コルトレーンの曲と紹介していて、その事実を知った次第(汗。で、なんか聞いたことがあるなと思ったのが、ギル・スコット=ヘロンの「Spirits」。アルバムSpiritsの中の同名曲ですが、アルバムのライナーノーツによると、これ、詩はギルさんで曲はコルトレーンって書いてあるんですよ。Equinoxをアレンジしたものということなんでしょう。オリジナルよりもテンポもテーマの終わり方も違ってて、いいんですよ。
で、ふと思ったのが、元々歌詞がついていないEquinoxに詩をつけて歌ってる人って他にいるのかな。調べてみました。Jay Clayton、Janice Borla、Karrin Allyson、Irini Konstantinidi。いずれも女性ボーカリスト。そして、当然かもしれませんが、歌詞がホセ版、ギル版と違うんですよね。しかもジェイ、ジャニス版、カリン、イリニ版でも歌詞が違う。ちょっとまとめてみました。なお、タイトルのリンククリックで新しいタブでYouTubeの音源に飛びます。
Equinoxに歌詞をつけて歌ってるボーカリスト一覧
ボーカリスト | タイトル | 発表年 | 歌詞の最初 |
Jay Clayton | Equinox 注)Jay版をアンナ・ヴァルソリが歌うもの | 1991 | The morning rising(多分) |
Gil Scott=Heron | Spirits | 1994 | The world spins around us |
Janice Borla | Equinox | 1996 | The morning rising |
Karrin Allyson | A Long Way to Go | 2006 | Tomorrow comes too slow |
Jose James | Equinox | 2007 | We begin, we began |
Irini Konstantinidi | Equinox | 2013 | Tomorrow comes too slow |
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ギル版、ホセ版はご本人の詩、Tomorrowで始まるカリン版は、Chris Caswellという人が作ったそうです。では、ジェイ版はというとわからないんですよ(ジェイさんなのかな、誰か教えてください)。
また、発表年ですが、最後のイリニさんはライブ映像だけかもしれませんが、他はCD収録されてまして、その発表年が微妙なんですよ。ジェイさんのCD「Live at Jazz Alley」はDiscogで見る限りは1991年ですが、そうなんですかねー。ちなみに、ジェイさんの演奏は探せなくて、表中のリンクはジェイ版のボーカルを他の人が演奏しているというものです。また、ジェイさんはジェラルド・クレイトンの母だそうです、さっき知りました。
同様に、ギル版もアルバム「Spirits」発表は1994年ですが、多分もっと前、1979年とか80年とかじゃないかと思うんですよ。曲のSpiritsはTONTOで録音されているので、アリスタ時代のアルバムSecret(1978)、1980(1979)がTONTOで録音されているし、だったら同じ頃じゃないのかと思ったまでです。
というわけで、コルトレーンのEquinox(1964年発表)に最初に歌詞をつけたのは、調べた限りではジェイさんかギルさんと思われ、私の妄想では70年代なんじゃないかなーと。
ジェイさんのEquinoxは聞けませんでしたが、My Funny Valentineにびっくりしました。しびれます!
話はかわりまして、Equinoxが発表されたのはアルバム「Coltrane’s Sound」。このジャケットが好きでして、いろいろ見てたら、同時期のアトランティックのジャケットで似たようなのがいくつかあるんですよね。以下のサイトで紹介されていました。
https://vinylbeat.com/album-174-MarvinIsraelsJazzAbstracts.html
描いたのは、当時アトランティックの美術部門にいたマーヴィン・イズラエル。えーーっと驚きました。この方、アーティストでありながら、ハーパーズバザーなどの雑誌の誌面を写真家たちと一緒に作っていた編集者なんですよね(といってもつい最近知ったのですが)。というわけで、アトランティックのアルバムジャケットも有名な写真家が撮ってたりするらしいです。例えば、リー・フリードランダーとか(以下のサイトで知りました)。
http://birkajazz.se/archive/atlantic.htm
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と、盛り上がってきたところでなんですが、
次回に続きます!