一日一美発見03・アートブック多めです(2023/9/4-9/10)

Dayanita Singh「THE BOX」

ダヤニータ・シンは写真家で、ブックアーティスト。彼女の写真集に蛇腹式の製本のものがあるが、箱から出して広げて置くだけで小さな展覧会ができるというコンセプトの元作られている。デュシャンの「トランクの中の箱(BOÎTE-EN-VALISE / MUSEUM IN A BOX)」を今に受け継いでいるように思えるし、DIY精神が私たちに勇気を与えてくれる気もする。

そんな彼女の展覧会「THE BOX」がケルンにあるその名もThe PhotoBookMuseumで11/16まで開催中。インスタの展示風景を見ると、フォトブックだけでなくポスターなども設置されてはいるものの、小さな部屋でフォトブック形式のものでなんとかやっていく方法があるのだなと改めて気づかされる。

フォトブックミュージアム「THE BOX」ページ
https://www.thephotobookmuseum.com/en/?view=article&id=15
(2023/9/4)

Pierre Huyghe 「Variants」

ノルウェーにあるキステフォスミュージアム。森の中にある元パルプ製材所という広大な敷地。自然の中に草間彌生やアニッシュ・カプーアなどの彫刻があるらしい。

(Hauser&Wirthのインスタ投稿から)
「私はものを出現させることに興味があるが、展示することには興味がない」ピエール・ユイグは、キステフォスから制作を依頼。敷地の中でこれまで作品が展示されたことのない場所を選んだ。彼にとってこれまでで最大の作品である「Variants」は、自然と人工知能システムが互いに影響し合うループの基盤として、土地とその上に時折湧き上がる水を利用している。

かなり理解を超えているが、あらゆる方面において挑戦しているように思える。

ART Reviewの記事がややわかりやすかった
https://artreview.com/the-poetics-and-pitfalls-of-allegorithmic-art-pierre-huyghe-kistefos/
(2023/9/5)

ROTH BAR

ハウザー&ワースのサイトを見ていたら気になる名前の展覧会があった。

ROTH BAR、サイトから引用すると・・
ロス・バーは、スイスのアーティスト、ディーター・ロス(1930-1998)がハウザー&ワースで最初の展示を行った際に作家がバーを加えるように主張したことが始まり。その時は来場者の会話は記録され、アーカイブされた。 バーはロス家族の世代を超えた活動の継続的な要素。今回の展覧会は、ギャラリーの1階を、社交、音楽、朗読、トークなどの拠点として活性化させる。 ロスは、本、グラフィック、ドローイング、絵画、彫刻、アッサンブラージュ、インスタレーション、スライド、録音、フィルム、ビデオなどのオーディオやメディア作品を制作した。また、作曲家、詩人、作家、音楽家としても活躍した。しばしば他のアーティストとコラボレーションし、作家主義を覆した。

バーは作家の制作のヒントなのかも。 展覧会にバーがあって録画など仕掛けがあるのもいいですよね。真似したいな。
https://www.hauserwirth.com/hauser-wirth-exhibitions/47203-roth-bar/
(2023/9/6)

LET ME DREAM AGAIN

ニューメディアアーティストのレフィック・アナドルの展覧会をMoMAで開催中らしい。MoMAのコレクションを機械学習させ、そこから新たにイメージを生成し続けるもの。MoMAのインスタで見たとき凄いと思ったものの、二日酔いの脳内のようで気持ちが悪かった笑。

クリスチャン・マークレーみたいに映画のフッテージからドアを閉め続けるイメージは生成し続けられるのだろうかと思いながら、色々探していたら、初期のハリウッド映画とヨーロッパ映画のビジュアルとオーディオを学習させた機械学習を使って無限に生成される映像があった。いい意味でポンコツ感があって好き。

私の現状の認識が、おそらく、AIがポンコツなものを出すと安心して、想像もつかない未知のイメージを出すと怖い、という状態なのだろう。

LET ME DREAM AGAIN
https://artsexperiments.withgoogle.com/let-me-dream-again/
(2023/9/7)

Keith Haring: Pixel Pioneer

ソウルで開催中のアートフェア、フリーズ・ソウルに合わせ様々なイベントが開催されているが、Keith Haring: Pixel Pioneerなんていうのもまさに今日までやっている!これは、キース・ヘリングが往年のパソコン、アミーガ!!で描いたピクセルアートらしい。以下の記事でどんなものか確認できる。 そして、このピクセルアートは、クリスティーズの新しいオンラインオークションにNFTとして出品されるとのこと。いやー、そうなってるのかー。。。
https://news.artnet.com/market/keith-haring-amiga-drawings-nfts-christies-2355175
(2023/9/8)

Olivia Mae Sinclair

テキスタイル・アーティストのオリヴィア・メイ・シンクレアのZINEがヤバイ。やられます。

ほつれた布、乱雑な装丁、長く残した糸、手書き文字、全部好きです!!←実物見てないけど。

記事では子どもの頃に買ってもらった古本の魔力?について語っている。 「古い本を手に取ると、その日のことを思い出す。つまり、私たちが接し、出会う本が、概念的には、私たちを保持しているということ。それは(時には)どんな装丁や表紙よりも刺激的なのだ。」

私が持っているんじゃなくて、ものによって私が留め置かれている状態なのですよね。
https://brokenpencil.com/folio-2/folio-olivia-mae-sinclair-on-text-textiles-and-the-neverending-story/
(2023/9/9)

STRANGER IN POLAROID

STRANGER IN POLAROID という写真集をflotsam booksのインスタで見つけた。 ジム・ジャームッシュの映画「Stranger Than Paradise」製作中に撮影したイメージを映画のエグゼクティブプロデューサーOtto Grokenbergerが編集した写真集。
『Grokenbergerがキャプションを付けたこのシリーズのフルカラー制作スチルは、映画を見た人のために、その場所やキャラクターの舞台裏を魅力的に見せ、白黒の動画の対極を示しています。』
と言われると、そうだよねーと思ってしまい、購入してしまいました。ポラロイド写真で作った写真集が気になって調べてみたら、結構あるんですね。(2023/9/10)

※この記事は、以下のThreadsで毎日投稿したものを一週間分まとめたものです。
https://www.threads.net/@tnomura