小川淳也という議員の存在は知っていたものの、選挙区やその経歴をほとんど知りませんでした。たまたま今週BSの番組に小川議員が出演していて、議員に密着したドキュメンタリー映画がまだ上映されていることを知り、見に行きました。
撮影期間の長さに驚きます。小川氏の初出馬(2003年)のときから撮影されていて、そのきっかけは監督の奥様と小川議員の奥様が同級だったというもの。描かれているのは、初の選挙戦の初心、幼い子どもたちを親に預けて選挙を手伝う奥様の戸惑い。そして民主党の圧勝(2009年)、下野、民進党から希望の党への分裂、大きくなった子どもたちが選挙を手伝う姿、コロナ禍でオンラインで監督と話す姿などなど。
17年にわたり密着しているので、小川家や陣営と監督が次第に緊密な関係になっているようにも見え、そのようなカメラを通して見ている私自身に「あっ、どうも。来てくれたんですね」など言われてる気になって危ないなと思いました(笑)。危ないというのは、監督はあくまでも映画作品を作ったわけで議員のPR動画を作ったわけではないので、そこを勘違いしないで見ないようにしないと、という意味。
映像で幾度も監督から議員に尋ねるシーンがあり、その質問というのが「小川さんは総理大臣になりたいんですか」。それがタイトルに繋がっています。尋ねたきっかけとしては、役所の前例慣例主義に加えて大臣は客にすぎないという元総務省の官僚としての気づきから議員を目指したわけでしかも一議員じゃ日本が良くならない、というような発言の後だったと思います。
議員の日本を良くするが具体的にどう言ったかは覚えてないのですが、ふとかつて私が感じた嫌な予感と似たような内容だった気がしました。私の場合は、かつての総理が、この程度の約束を守れなかったのは大したことではない、私はそうは思わない、などの発言を繰り返すにつれ、政治家が質問に真っ向から答えない、そして建前を言わなくなったらまずいなと感じたのが嫌な予感の始まりでした。まあ、気づいてみたら洋の東西そんな感じですけど。
映像の中で、議員鋭い!と思ったのは、安倍政権についての分析(確か2016年か2017年の映像)。こんな感じの洋の東西を踏まえた上で、そういう見方ができるのかと目からウロコでした。これだけでも映画観る価値ありますよ。
また、映画化まで17年経ているわけですが、今劇場で見られるというのがなんといいタイミングなんだと思いました。映画から小川議員の選挙区は香川1区ということがわかるのですが、同区の自民党公認候補が平井卓也議員なんですよ、菅政権でデジタル大臣になった方。
最後の方で監督からの総理大臣になりたいかの質問に対し、いつもより長い回答をする議員。オンラインで画面越しに答えるからそうなったのかもしれませんが、聞いていて少しじれったさを感じました。つまり、もし仮に、あなたと同じ志で同じような考えを持った人がどこかから出てあっという間に自分がやりたかったことをやり大臣になり総理になったとする、そういう未来をあなたは受け入れられますか?自分がやるんじゃなかったの?私ならそう聞いてみたいですね。
実は、これは私自身に投げかけている問いでもあるのです(私から生まれた問いではなく、ある方から言われて気づいたのですが)。私の場合はこう。Tシャツのメディア性に気づいて、特定のジャンルのTシャツに詳しく、なんらかの切り口のTシャツを扱い、そして架空のTシャツまでも楽しむ活動をやっている人と認知されたいと思っていて、奮闘しているところだけど、同じようなことを後からやりだした人がいたとして、あっという間に世間に認められたとしたら、私はそれを受け入れられるのか?
総理大臣でないとしても、社長、主役、第一人者、なんでもだけど、「あなたは◯◯になりたいんですか」は私たちにとって共通の問いではないだろうか、そう思いました。自分の実力より大分上を目指すのは怖いけど、思っちゃったんだから仕方がないですよね。
映画は、東京であればポレポレ東中野で上映中ですが、全国で上映されているみたいです。
「なぜ君は総理大臣になれないのか」公式サイト
http://www.nazekimi.com/
私の奮闘、AirT | Tシャツはメディアだ! は以下。
よかったらみてみてください。
https://air-t.info/