マイルス・デイビスの自伝的映画見てみました。封切から3週間経っていましたが、観客多かったです。今年で没後26年なので同年代の人しか見に来ないのではと思いましたが、結構若い人いましたね。(注:これは2017年1月に書いたものです)
主演のドン・チードルはマイルスに似てないないものの、トランペットの当て振りがカッコよく、かすれた声が雰囲気を掴んでいました。
映画化のことは2014年にクラウドファンディングした際に知り、応援しただけに劇場で見られて嬉しかったです。
微妙にネタバレしますが、内容について覚書しておきます。
映画で描かれている”現在”1979年の出来事はほぼフィクション、回想シーンとして挿入される1950〜1960年代の出来事がほぼ史実、そんな構成に驚かされました。フィクション部分が荒唐無稽でテンポがよく、エンタテイメントに徹していて、半ば呆気にとられ、半ばこんな風に作れるんだと感心しました。
1979年というのはマイルスが活動を休止していた時期で、映画の冒頭と最後はカムバックについて触れています。冒頭のインタビューシーンで、マイルスの背後に1975年大阪のライブ映像が流れる、という演出があり、どうみてもデイブ・リーブマンが吹いているのに、ドン・チードル演ずるマイルスもいる、みたいな映像まで作っているのか、と驚きました。
最後のカムバックライブシーンは、かつてマイルスがそうしたように、映画音楽を担当したロバート・グラスパーなど若手ミュージシャンとの共演でした。しかし、そこに映画に挿入される回想シーンのバンドメンバーである、ハンコックとショーターご本人もいてマイルス好きにはたまらないシーンでした。とはいえ、マイルスを知らない人であれば、なぜ二人だけ年配の人が入っているのか不思議に思うかもしれないけど。
劇中で「俺の音楽はジャズじゃなくて、ソーシャル・ミュージックだ」という台詞があります。
劇場ではソーシャル・ミュージックの意味にピンときませんでしたが、数日経って腑に落ちた自分なりの解釈は『同時代的』ということです。同時代的も死語ですが(笑)、今っぽいというか、今を生きている、みたいな感じでしょうか。
※画像はテレビ放映されたものを撮影