[展示]福ねこ展2019「猫都のアイドル展at百段階段」で気づいたアイドルとアルカイク・スマイルの関係性

目黒のホテル雅叙園東京「百段階段」で開催された「福ねこ展2019」に18日に行ってきました。会場の通称「百段階段」は、1935年に建てられた木造建築で、7部屋の広間が99段の長い階段の途中途中に配置されている作り。2009年に東京都の有形文化財に指定されたとのことですが、雅叙園にこのような建築物があることも、今では展示会場として使われていることも最近まで知りませんでした。この日は最終日の前日ということもあってか大勢の来場者で賑わっていました。

福ねこ展は2017年より百段階段で開催されていますが、知ったのは昨年開催の「猫都の国宝展at百段階段」終了後でした。そして猫都の読み方がわからず、まさか「ビョウト」ではあるまいなど考えていたら、にゃんと「ニャント」でした(苦笑)。2017年のが「福ねこat百段階段展」なので、来年も開催するのであれば、タイトルの出だしは「福ねこ展20xx」に統一したほうがよさそうな気がするのは私だけでしょうか。

さて、今年のテーマはアイドルとのことで平安から平成のアイドルを猫で振り返るという趣向でした。29名の作家が、昭和や平成のアイドル的存在(人間や猫)はもとより、鳥獣戯画、源氏物語、浮世絵、力士にいたるまでを猫で表していて、圧巻でした。

個人的に一番響いたのは、佐藤法雪の羊毛フェルト猫人形「猫の一生」。毛色こそ違いますが、子どもの頃から飼っていたくーを思わずにはいられません(泣。

佐藤法雪「猫の一生」

また古いマッチの猫柄ラベルコレクションの猫の絵柄が猫には見えず、猿風妖怪的なタッチが忘れがたい印象でした。これは、子どもが触らないような工夫ということなのでしょうか(=怖くて触れない)。

猫柄マッチラベル(明治時代)

また、購買意欲が全開してしまう品揃えの物販コーナーでは櫻井魔己子の小置物、もりわじんの小置物、目羅健嗣のポスターを購入。目羅さんは名画のパロディ作品をいくつも制作されていますが、子どもの頃からトラウマな麗子像をつい購入してしまいました。というのも、麗子が麗子似の黒猫を抱いていて、麗子似であると同時に他界したくー似だったからです!

麗子と麗子似&くー似の黒猫像

その後何度か麗子をしげしげと見ましたが、くー似だと思ったからか、麗子に多少愛着が湧いてしまってます。で、気がついたのは麗子の表情がアルカイク・スマイルだということ。東京国立博物館のページには『モナリザにヒントを得た』とありますが、そんな感じにも見えます。で、上記の猫やくー同様に、昭和の女優のブロマイドに見て取れる微笑もアルカイク・スマイルだし、そもそも仏像がそうですよね。偶像崇拝という言葉がありますが、そういう意味では昔の人は仏像をアイドルっぽく見たのだろうか、など猫のアイドルからこのような妄想にまさか発展するとは。猫のアルカイク・スマイルは大好きなので、個人的にこの妄想は考え続けたいですね。

上のポスターの黒猫に似ているくー

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