展示、映画、イベントみたものまとめ(2016年1-3月)

「MOMATコレクション」、「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」、「自然の鉛筆」、「リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史」、「佐藤真の不在を見つめて」などなど、展示17、映画7、トークイベント3。ときどきブログ記事あり。

[展示]MOMAT コレクション 特集:ちょっと建築目線でみた美術、編年体/東京都国立近代美術館
[雑感]大辻清司の自邸建設までの写真が展示されていたので見に行ってみました。片付けの様子など自分の引越しのことなど思い出し、これ写真集で見たかったなあと思いました。Chim↑Pomの3.11後の映像作品には目が釘ずけに。もっともしびれたのは、菅木志雄の波板トタンの作品でした。
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[展示]Beauty Crossing Ginza/資生堂ギャラリー
[雑感]勝又公仁彦氏撮りおろしの銀座のトリプティク写真が美しかったです。
『銀座界隈 アルバム・銀座八丁』(木村荘八著)に収められた1950年代の銀座のパノラマ写真もみられてよかったです。
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[展示]世界でもっとも偉大なアマチュア写真家 ジャック=アンリ・ラルティーグ作品展 /フジフィルムスクエア
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[展示]水神秘の形/サントリー美術館
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[展示]タカザワケンジ Osamu Kanemura’s new work? /Alternative Space the white
[雑感]作品の中に過去の著名な作品を取り込むこと、そのような手法をアプロプリエーション(盗用芸術)と言う、ということをこの展示で初めて知りました。  ▶記事をもっと読む
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[展示]鷺たまみ個展/T-BOX
http://www.tbox.co.jp/tbox/2016/160118B.html

[展示]ジン・メイヤーソン「nowa days」/nichido contemporary gallery
[雑感]移動中に偶然展示のポスターをみかけ、入ってみました。絵画から紙の版をつくり、それを紙に貼り、紙をはがしてイメージを浮き上がらせるという手法がとても面白く思いました。
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[映画]未来をなぞる 写真家・畠山直哉 /横浜シネマリン
[雑感]映画「未来をなぞる 写真家・畠山直哉」が1月30日から2月12日まで横浜シネマリンで公開されています(14:50からの上映のみ)。畠山容平監督の舞台挨拶のある初日に行ってきましたが、見たのは今回で三度目でした。初めて見て以来一年が経とうとしているので、その間のこちらの印象の変化なども含めて書き留めておきます。 ▶記事をもっと読む

[展示]『自然の鉛筆』を読む /横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室2
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[展示]石川竜一写真展「考えた時にはもう目の前にはない」/横浜市民ギャラリーあざみ野 展示室1
[雑感]初日に行きましたが、来場者が多く人気の高さを感じました。CAMPの写真がよかったです。
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[展示]「気仙沼と、東日本大震災の記憶 ―リアス・アーク美術館 東日本大震災の記録と津波の災害史―」/目黒区美術館
[雑感]気仙沼市にあるリアス・アーク美術館の「東日本大震災の記憶の津波の災害史」展を紹介する展覧会が東京・目黒で開催されています。
東北に行きたいけど遠くてなかなか行けないという方も、そうでない方も、展覧会に足を運んでみてはいかがでしょう。 ▶記事をもっと読む
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[展示]メタ佐藤 写真展「人の谷」/コニカミノルタプラザ
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[展示]星野俊光 写真展「海猫夢幻~東京湾岸に生きる猫たちの記憶~」/コニカミノルタプラザ
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[イベント]アレック・ソス トークショー/パシフィコ横浜
[雑感]マグナム正会員の写真家、アレック・ソス(Alec Soth)のCP+での講演(2月27日)があり、参加しました。どんな人なのか全く知らなくて、事前に英国テレグラフの記事を眺めた(読んではいません)のみでした。 ▶記事をもっと読む
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[イベント]椹木野衣トーク&レクチャーシリーズ「震災以後の世界~ジャンルの破壊と溶解。創造の地平を目指して」番外編 震災から5年 気仙沼 リアス・アーク美術館とDon’t follow the wind から考える未来を担う美術館と展覧会/青山ブックスクール
[雑感]3月1日に青山ブックスクールにて開催されたトーク&レクチャー。気仙沼のリアス・アーク美術館の学芸員・山内さんも、トーク仕切りの椹木さんもお話を聞くのは初めてでしたが、山内さんの熱のこもった語りと椹木さんの壮大なプロジェクト・Don’t follow the windのお話を受けとめるだけで精一杯。 ▶記事をもっと読む
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[展示]キュレトリアル・スタディズ10 写真の<原点>再考-ヘンリー・F・トルボット「自然の鉛筆」から/京都国立近代美術館
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[イベント]シンポジウム「写真の複数の〈原点〉―複写・複製・写し」/京都国立近代美術館
[雑感]世界初の写真集、ウイリアム・ヘンリー・トルボット「自然の鉛筆」の日本語版出版と時を同じく、京都国立近代美術館キュレトリアル・スタディス10として展示「写真の〈原点〉再考」があり、それに合わせてシンポジウムが3月5日に行われました。 ▶記事をもっと読む
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[映画]波のした、土のうえ/3.11映画祭 アーツ千代田3331
[雑感]東京の大学生だった二人が震災ボランティアで沿岸部を訪れたのちに陸前高田に移り住み、被災者への聞き取りなどから生まれた映像作品。映画から住んでいる人のパーソナルヒストリーがわかり、いわば、旅行で土地の人の話を聞くみたいなことを映像を通じて疑似体験しているような感じ。土地の人の話からは、更地になった土地、かさ上げされた土地を見ているのに、ここに何々があった、かつては何々をした、という震災前の話が出てきます。見えないものを追ってしまう現実があることがわかります。実態がなくなると記憶が総動員されると言ったらいいのでしょうか、そんな風に思ったのは、空襲を生き延びた人の証言をテレビなどで聞いた時の印象にも通じるところがあるからかもしれません。
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[展示]大西みつぐWONDER LAND 1980-1989/JCIIフォトサロン
[雑感]大西みつぐさんが須田一政さんの助手をやっていたとは驚きましたが、なるほどとも思いました。1980年は私にとっては遠い昔ではないのですが、写真で見ると相当に隔世の感がありました。
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[展示]八木幾朗の墨画考/奥野ビル306号室
[雑感]雨をモチーフにした墨画というイメージから想像できない立体的な展示でびっくりしました。

[展示]京都造形芸術大学通信教育部写真コース卒業制作展/ニコンサロン bis 新宿

[展示]西澤 丞 写真展「日本の現場 立入禁止の向こう側」/コニカミノルタプラザ
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[映画]単行本刊行記念特集上映会 「佐藤真の不在を見つめて」/アテネフランセ文化センター
「SELF AND OTHERS」
[雑感]映画のDVDを持っていますが、家で見ても見た気がしないので、上映があると知り見に行きました。フィルムだったので感激でした。写真集SELF AND OTHERSを作った牛腸茂雄さんの没後17年を経て、不在を撮った映画。今回の上映ではじめて、映画の中に登場する人々は全員スチル写真だということに気づきました(牛腸茂雄さんが撮った映像作品のインサートは除いて)。
「阿賀に生きる」
[雑感]新潟水俣病患者(未認定者)の3家族を描いた作品で、生活の様子こそ描かれているものの、裁判の様子はあまり生々しく描かれていません。現在のドキュメンタリー映画の撮り方のひとつ(日常を淡々と撮る)は、この映画で初めて行われたもので、日本のドキュメンタリー映画の上では大きな転換点になった作品のようです。現地に3年間スタッフが住み着いて撮影したとか、途中で制作理念を巡り正念場シンポジウムを開くなど、いろいろすごいエピソードが。
「阿賀の記憶」
[雑感]「阿賀に生きる」から10年後を撮ったもの。次第にいなくなっていく老人たちの不在をどのように描いているのかが気になりました。夢を見ているような不思議な気分になりました。
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[映画]『未来をなぞる 写真家・畠山直哉』上映&トークイベント/VACANT
[雑感]トークで畠山直哉さんが、映画に自分が出ているのはちょっと変な感覚がする、というようなことを発言していて、そういうことは想像したことがなかったので、ああそうかと気づきました(意見になっていませんが)。そのように写真家にはよくない影響?を与えているかもしれませんが、見る私たちにはどんな影響を与えるのかと考えた時に、この映画が持つ意味(特徴)はおおまかに3つあるな、と思いました。

  1. アーティストも私たちと同様に一人の人間なのだと気づくことができる
  2. 3.11に関連する映画が多くある中で、被災地に住んでいる被災者ではなく、被災者を家族に持つ被災地以外に住む人を中心に描いている(このことは同じような境遇の人にとって意味を持つと思われる)
  3. 私たちが震災とどう向き合うかという目指す方角のヒントがある(映画終盤の「写真には心は映らないが、心が目指す方角は示しているのではないか」という写真家の言葉からふと思いついた)

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