ホセ・ジェイムズ東京公演の最終ステージ見てきました(11月2日)。毎回素晴らしいのですが、いつものライブよりも興奮しました。会場もすごい熱気でした。なんでかなと思ったら、ビル・ウィザーズの曲のパワーなんですよ。私がそう言ってるのじゃなくて、ホセがそう言ってるんですが。
ビル・ウィザーズを今聞く理由
これまでもホセは、ビル・ウィザーズの曲をライブで毎回と言っていいほど演奏していました。覚えているだけでも、Ain’t No Sunshine、Who Is He、Hope She’ll Be Happier、Grandma’s Handsなど。で、ビル・ウィザーズのメドレーのところで会場の熱気が高まるのですが、ホセ曰く『これがパフォーマンスのパワーであって、これらの曲をレコードでは体験できないやり方で再び活気づかせることができる。』一方で、ビル・ウィザーズは四半世紀以上音楽ツアーを行っていないので、若い人たちにとってはレコード以外で聞くほかはないんですよね。だから、ライブでやる意味があるのです。再三書きますが、ホセがそう確信したのです(ホセのFacebookページのストーリー「Lean on Me: José James celebrates Bill Withers in 2018」の3段落目にあります。ちなみにFacebookページのカバー動画でホセが着ているのは、ビル・ウィザーズがライブで着ているTシャツと同じですかね)。
また、ビル・ウィザーズ楽曲のパワーの、もう一つの側面についても語っていています。『ビルの歌はコミュニティや団結?(unification)への愛を反映している。ビルの音楽は年長者を敬い、メンターを尊重し、男性の脆弱さ(male vulnerability)を探っている。人種差別主義者、独裁者、性差別主義者に挑んでいる現在、世の中に光をもたらすより良い方法はあるのだろうか?』
昨年12月にビル・ウィザーズトリビュートツアーについて発表され、今年1月にNYCでトリビュートツアーがキックオフ。2月の来日時は、ホセのデビュー作「ザ・ドリーマー」10周年記念とのことで、まだ海外ではやらないのかな、日本でやるのだろうかとちょっと心配しましたが、見られてよかったです。また、トリビュートアルバム「Lean on Me」発表後のタイミングでよかった。というのも、曲のパワーを届けるために(だと思う)、オリジナルと同じキー、同じテンポで演奏しているのがわかったからです(アルバムだと)。
セットリスト(2018/11/2 2ndショウ)
Ain’t No Sunshine(1971)
Grandma’s Hands(1971)
Use Me(1972)
Lean On Me(1972)
Drums Solo
Kissing My Love(1973)
Hello Like Before(1976)
The Same Love That Made Me Laugh(1974)
Just The Two of Us(1981)
Lovely Day(1977)
アンコール:Live Your Fantasy
オープニング・アクトのTaali(ターリ)に続いて、アルバム収録曲から9曲。カッコ内の数字はビル・ウィザーズが曲を発表した年。いずれもシングルのA面になった曲なんですよね。
ネイト・スミスのドラムソロの時にステージ衣装を着替えて再び登場(これが盛り上がった)。衣装も二着ともイカしてました。
Grandma’s Handではいつものように、(勝手に呼んでますが)ボーカルターンテーブルを披露。回転が遅くなったり速くなったりするところにゾクゾク。
Just The Two of Usではボビー・コールドウェルのWhat You Won’t Do for Loveをインサート、Lovely Dayの冒頭にディアンジェロのAfricaをインサートしてましたが、ツアーの定番なのでしょうか。年長者にはたまらない展開です。
アンコール前の最後の曲Lovely Dayは本当に素敵な曲で、聞いていると次第にリラックスしてくるんですよ。アルバムではレイラ・ハサウェイとコラボしてますが、中盤の掛け合いが気持ちいいし、黒田卓也のホーンセクションのアレンジがカッコよくて、オリジナルが歌伴1.0だとしたら、ホセ版は歌伴2.0という感じで実にいいなあと思いました。フィルムっぽい色調のビデオもよいです。
ビル・ウィザーズのドキュメンタリー映画「STILL BILL」は日本では公開されなかったけど、日本語字幕のDVDが出てるんでしょうか?探せなかったけど…