マグナムフォト所属写真家からの言葉の数々「Wear Good Shoes」を読んでみた

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Facebookで見かけたマグナムフォト所属写真家32人(*1)からのアドバイス集「Wear Good Shoes: Inspiring Advice from Magnum Photographers」をダウンロードして斜め読みしてみました。
https://www.lensculture.com/articles/magnum-guide

いわゆるアドバイスだけではなく、写真との出会いを語る人もいて(家にいろいろな写真集があった、おじいさんが高価な切手を交換してカメラを手に入れてくれたなど)、彼らの言葉に接した後で撮った写真を見るのは(ほとんどが言葉のページの後にその人の写真が掲載されている作りになっている)とても楽しく感じました。思い出したときに何度が読み返してみたくなりますね。Chimとはデビッド・シーモアの愛称であることも初めて知りました。

また、「写真は言葉だ(Photography is a language.)」と語る人が二人いて(David Alan Harvey、Jonas Bendiksen)、そのような認識に接したのが昨年、書籍「出来事と写真(畠山直哉、大竹昭子)」を読んだ際だったので、彼らについてもチェックしてみようと思った次第。

タイトルにもある「good shoes」に言及している人も二人いて(Abbas、Matt Stuart)、Wear Good Shoesはそもそも、マグナムのDavid Hurnがよく言う言葉のようです。こんな記事が見つかりました(紹介されている動画も未見 見ました。見る前は、よい靴=よい道具だと勝手に思い、やっぱいいカメラの方がいいのかと思ってましたが笑、1日12時間も歩くかもなのでよい靴を履いた方がいい、という意味のようです)。
https://petapixel.com/2016/04/06/timless-wisdom-amazing-stories-magnums-david-hurn/

アレック・ソスの「被写体をつまらないとかおもしろくないと思っていたら、それは写真に出る。本当は子猫を撮りたいんだったら子猫を撮れ」にはドキっとしました(後半はおいておいて)。そんなテキストのあとで次のページのソスの見知った写真(といっても実物はみてないが)「Sleeping by the Mississippi」の一コマを見たら、ああそうかーとものすごい説得力で迫ってきました。説得力について説明できていないのが大変残念なのですが。写真は言葉であるならば、ここを説明できないのはまずいですよね。

印象深かったテキストは、アレック・ソスの他に、Matt Stuart(p18:とにかく時間)、Patrick Zachmann(p22:ダイアン・アーバスとの出会いの衝撃)、Alex Webb(p29:写真にそんなに夢中ではなかったけど、一人で作るのが好きだと気付いて写真を撮るように)、Mikheal Subotzky(p54:一つのプロジェクトに長時間こだわりつづけよう)、Jonas Bendiksen(p57:写真は言葉)。

一番衝撃的だったのは、知っている写真家が4人しかいなかったことでしょうか。視野を広く持ち、知りたい、覚えたいと夢中になっていた10代の頃が懐かしいです。情報へのアクセスがたやすくなかったことも夢中になった理由かもしれませんが。

(*1)
掲載されている写真家は以下(掲載順)
Carl De Keyzer
Martine Franck
Abbas
Elliott Erwitt
Alex Majoli
Alec Soth
Chris Steele-Perkins
Alessandra Sanguinetti
Hiroji Kubota
Matt Stuart
Mark Power
Patrick Zachmann
David Alan Harvey
Constantine Manos
Alex Webb
Larry Towell
Donovan Wylie
Peter Marlow
Max Pinckers
Paolo Pellegrin
Trent Parke
Christopher Anderson
Harry Gruyaert
Thomas Dworzak
MartinParr
David Hurn
Bruce Gilden
Susan Meiselas
Steve McCurry
Mikhael Subotzky
Jonas Bendiksen
Sohrab Hura