my #cat mar on my knees

まーは子どものときから私を眺めるのが好きだった。
齢をとるにつれその傾向は強くなり、しまいには眠っているとき以外は、
私の傍らにいようとしているように思えた。

一眼レフカメラでは、膝の上のまーをなかなか撮ることができず、
かといって、今さらコンデジで撮るコツを会得するのも億劫だし。
そんなことを思っていた矢先にiPhoneを手に入れた。

人気の写真アプリInstagramの手軽さ、ポップさが私も気に入り、
膝の上のまーをiPhoneで撮るようになった。
あっという間に、まーがてのひらの小さなフレームに収まるのが楽しい。

膝の上に来ると満足げに喉を鳴らしながら、いい体勢をとり、私を見上げる。
ある日、こうしているときが一番活き活きしているのではないかと思った。
そんな写真で構成したフォトブックを作ったのは2012年の春だった。

2013年の夏にまーは他界した。
前の年にフォトブックを作ってからも、まーの膝上写真は撮り続けていた。
その写真で、もう一度まーのフォトブックを作ろうと思った。

瞳の中に私がいる、そんなまーにふたたび出会うために。

この本について

2012年に写真講座にてフォトブックを作るという課題がありました。まーの写真でCDサイズのフォトブックを作ったのですが、こちらは、翌年10月のグループ展に展示するために、枚数を増やし大判にして作り直したもの。

一辺216ミリのスクエアサイズで50ページ程度、1 部つくるのに1万円近くかかったのを覚えています。さすがにこの金額だと売れないだろうということで私家版です。