新型コロナウィルスと私の日常 ー保険診療でPCR検査受けましたー

以下の画像は12/7に東京新聞に掲載された記事。ニュースでずいぶん取り上げられたので知っている人も多いと思いますが、石川県でぜんそくの持病がある人が発熱してPCR検査を希望するもののかなわず自宅で亡くなっているのが見つかりその後の検査で新型コロナ陽性がわかったというもの。

この方とほぼ同時期に私も発熱してまして、私自身もぜんそくの持病がありまして、私は近所のクリニックで受診しPCR検査も受けられました(幸いなことに陰性)。受診した医療機関の違いでなぜこうも対応が違うのだろうとショックでした。

また、私の近隣でも近所のクリニックで保険診療でPCR検査を受けられるとは思っていない人も多いので(私自身もそうでしたが)、東京で発熱した場合はこういうことができるということをざっと書いておこうと思います。

クリニックでも保険診療でPCR検査ができる

私も知らなかったのですが、今は新型コロナ感染の懸念から電話やオンラインによる診療ができるようになってるんですよね。また、インフルエンザとコロナが同時に流行したらどうするんだなどの議論もあり(うろ覚えですが、そんな理由だったかと思う)、保健所に届け出義務のある行政検査(保険診療のPCR検査はこれに含まれる)も、東京都の場合は、診療・検査医療機関に指定されるか、東京都医師会の集合契約に参加すればクリニックでもできることになっているようです(ざっくりですみません)。(参考:https://www.tokyo.med.or.jp/17904

上記の契約は、あくまでも医療機関が決めることなので、近隣のクリニックを見る限りは、やりたいところはやるけど、通常の患者だけしか診ませんというスタンスの医療機関はやらない、そんな感じがします。

まずは医師会でかかりつけ医を紹介してもらう

私はかかりつけ医を持っていなかったため、住んでいる区(品川区)の医師会の紹介窓口に電話して発熱していても診てもらえるクリニックを紹介してもらいました。紹介されたときはそこでPCR検査ができるかわからなかったものの、結果的に同じクリニックにて保険診療でPCR検査を受けることができました。東京以外でも都市部だとかかりつけ医がいない人が多いと思うので、同様な紹介制度はありそうな気がします(調べてはいません)。

かかりつけ医紹介制度に気付いたのは、区のウェブサイトを見て。実は、ぜんそくの定期通院で大学病院の呼吸器内科を受診しているので、最初はそこに電話したのですが、近くのクリニックに行って下さいと断られたんですよね(そりゃそうだとは思いましたが)。で、区のウェブサイトをみたら、発熱等がある場合はかかりつけ医に電話で相談の記載の下に、かかりつけ医がいない場合の相談窓口として、東京都発熱相談センター、区の医師会のかかりつけ医紹介窓口の電話番号が記載されてました。(参考:https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kuseizyoho/kuseizyoho-koho/kuseizyoho-koho-sonota/20200221134550.html
東京都医師会のサイトでもかかりつけ医紹介について記載されています(参考:https://www.tokyo.med.or.jp/kakari)。

都の相談センターよりも区の医師会の方が混んでなさそうな気がして、医師会に電話して、発熱が2日続いていること、ぜんそくの持病があること、大学病院で断られたこと、発熱していても診てほしいことを伝え、近所のクリニックを紹介してもらいました。

PCR検査を受けるまで

その後紹介されたクリニックに電話をかけ、折り返し医師から電話をもらい問診。医師会に伝えたのと同様な症状などを伝えたところ、クリニックでの受診を勧められ、当日の診療時間外の時間で予約、PCR検査もした方がよいだろうということに(結果は翌日夜に医師から電話で聞く)。受診するまでの間に、メールにて住所、氏名、保険証をクリニックに送付。

クリニックでの受診は診療時間外の予約なので私一人しかおらず、応対も医師一人。なおこのクリニック(建物の一階)では一般の患者と動線を分けていて、通常の出入り口とは別の勝手口?のようなところから入るようになっていました。
一般的な診察(喉の状態を診る、聴診器で呼吸音を確認、問診)と唾液によるPCR検査を行い、飲み薬をもらいました。コロナの可能性がある人が調剤薬局に行きにくいためか、こちらのクリニックでは一般的な風邪症状(熱、喉の痛み、鼻水、咳、痰など)に対応した薬を何種類かストックしているようでして、そのような薬を5日分処方されました。PCR検査の結果は翌日の夜に医師から電話で伝えられました。私の場合は、風邪症状がその後も続いたため、再度PCR検査(今度は鼻から採取)を行い、その後軽いぜんそく発作になるなどしたためそのための薬を処方してもらいました。なお、ぜんそくの薬までは院内にストックしていないので処方箋で。

その後

行政検査のPCR検査を受けると、同じ月に薬を処方された場合は処方箋に検査した旨の番号が記載されるようなんですよ。だから、ぜんそくの薬の処方箋をもらった際に、医師からこう聞きました、何も言わないで薬局に行くと驚くかもしれないので事前に電話でPCR検査受けて陰性だった旨言った方がいいかもしれないと。で、調剤薬局に電話したら、それだけで驚いていて、いらした際には入らないで外で待っててと言われました(苦笑)。また、住宅街のクリニックでもPCR検査できる事実に驚いていました。

東京都の新型コロナの相談窓口に関する図をみる限りでは、PCR検査はPCRセンターで行うように見える図になっていますが、今はそうとも限らないということかと思います。(参考:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/coronasodan.html
試しに『品川区 コロナ pcr検査 保険診療』のキーワードでググってみると、PCR検査ができるクリニックがいくつか見つかりました(中には「保険診療のPCR検査はやってません」というところもヒットするので注意ですが)。

というように、品川区にもPCR検査センターがありますが、ここ誰でも行けるわけではないんですよね。かかりつけ医がPCR検査を必要と認めた場合に、医師がセンターの予約をするという流れになっています。週4日程度の開設、そして開いている時間も長くはないため、センターが混んでいて検査まで4日待ちと聞きました(12/1に聞いた話。今はもっと混んでるかも)。憶測ですが、クリニックで検査をやるところが少ないからなのでしょうか。やりたくともビル内で動線を分けられないとか、今の患者を診るので精一杯とか、まあ事情はあると思うのですが、なんとかならないのかなと。

まあなににもまして思ったのは、医師は午前と午後の休診時間や午後の診療後(私がお世話になったクリニックの医師の場合は夜9時過ぎまでとのこと)に感染リスクを負って診療しているんですよね。そういう姿を見ると、さすがに今後も気をつけて過ごさないと申し訳ないなと思った次第。

最後に

仮に陽性だった場合、夫に感染しないようにホテル療養なのかなとか想像してましたが、神奈川県のホテル療養、基礎疾患なしの50代男性がコロナによる肺炎で死亡したなど聞くと、重たくなりますね。血中酸素濃度86とニュースで聞いた気がしますが、正常値って96以上なんですよね。計測しなおしたら90超えたとかも聞きましたが、そんなに急に変わらないと思いますよ。

こうなったから気付くのですが、療養している方は正常値の範囲を事前に知っているのだろうかとか、機器不具合の可能性にも配慮してパルスオキシメーターを療養現場でいくつかストックしているのだろうかなど考えてしまいますね。

私も16年前ですが、呼吸はできるもののあまりにも浅くなり大学病院の救急に行ったところ酸素濃度85になっていて即日入院したことがあります(ぜんそく悪化による肺炎)。当時は酸素濃度なんて知らなくて医師から『85が100点満点の85点と考えるとそんなに悪い数字ではないと思うかもしれないけど、正常値が96以上なのだから、85というのはよくない状況ですよ』ということを伺ったことをよく覚えています。

だから、基礎疾患なしだと、ご本人はこの状態が肺炎につながるなど想像もしなかったと思います(私もそうでした)。こういうところは本人の感覚ではなくてデータで判断してほしいですよね。