対話型鑑賞術講座に参加した際に受講者の一人がオススメしていた本。いかに見てないかがまたまたわかりました(苦笑)。私からもオススメします!
はじめに
観察力を磨くセミナーを開催している著者、セミナーでよく使う写真や絵画も紹介しています。それを見て、何が描かれているか客観的事実(FACT)を挙げましょう、という例がいくつか紹介されていましたが、私の地と図の関係がこんがらかっている状況や、何が苦手なのかなどよくわかりました。
また、対話型鑑賞でも同様なことを学びましたが、以下がおさらいできました。
- 鑑賞の際には、よく見て、事実を知って(作品のタイトル、作者、制作年など)、再度見る
- 事実を追求するときは、主観的な意見と客観的な事実を区別することが大切
観察力を磨くには、観察→分析→伝達→応用のサイクルがあるとのこと(PDCAみたいですね)。以下に覚書しておきます。
観察
無意識の落とし穴(知覚フィルター)を意識することによって、その影響力を弱めることができるとのこと。よくある知覚フィルターは以下の3つ。
- 見たいものを見てしまう
- 見ろと言われたものを見る
- 変化に気付けない
それを克服するために、COBRA(Camouflaged、One、Break、Realign、Ask)を意識するとのこと。つまり、細部を見る際は、
- まぎれているものを探し(Camouflaged)、
- 一つの仕事に専念し(One)、
- 疲れたら休憩をとって(Break)、
- 期待を見直し(Realign)、
- 他者の意見を聞く(Ask)
ことが大事だそう。紹介されていた休憩の取り方がなるほどと思いました(20分ごとに短い休憩を取る、90分ごとに10分間の休憩をいれる)。そして、してはいけないのは、休憩中に似たようなことをすること(例えば、報告書を読んだ後にメールを読むとか。…しがちですよね)。
分析
細部を見る際に優先順位をつける上で、三面からアプローチするというのがあり、特に2番目は新鮮に思えました(捜査などの実例を伺うと本当にその通りで腑に落ちます)。
- 私は何を知っているか(すみずみまで観察し、誰が、何を、いつ、どこで、を客観的な事実だけに着目する)
- 私は何を知らないか(ないものを探す、あるべきものがないか)
- 何を知らなければならないか
伝達
観察&分析したことを人に伝える際には、コミュニケーションというアートととらえて、言葉を吟味することが大事であり、使わないほうがよい主観的な言葉や表現が紹介されていました(たまに使いますね、自信がないときとか笑。→ 明らかに、間違いなく、けっして、必ず、現実には、言うまでもなく)。
その他
また書籍の中で以下の人たちを知ることができたのが収穫。
Derreck Kayongo(Global Soap Project創設者)
JR
Sarah Grant
Joel Sternfield
Philip Evergood
William Kentridge
James Rosenquist