2019参院選、れいわ祭2で気づいたいくつかの投票ハードル、気づかされた私の諦め

20190719れいわ祭2の模様

昨日、参院選の投票の帰り道、70歳代と思われる夫婦が前を歩いていて、字が小さくてわからない、誰が誰だかわからないと言っていたのが聞こえました。記載するブースの前には候補者の名前はあるものの、顔写真はないし、文字は確かに小さかったです(特に比例)。

そして、この1年ほど高齢の母は投票に行けていないことを思い、後ろめたさのようなものを感じました。投票所では記載する時に家族が同席(でいいのか)できないのですが、母はメニエル病のためのふらつきがあり、目が悪く小さな字を読むのが困難なため候補者の名前を確認することは難しそうで、そのようなハードルをどうクリアするか、私も調べるのが億劫で放置していました。自筆ができないなら選管職員が代筆できることは先ほどインターネットで調べてみて知りました(今更ですが)。が、そういう説明を母にするのも億劫だし、当日および期日前ともに投票所が普段の生活圏よりも少し遠くて難しそうな気も。あるいは文字を書くのはできるので、事前に誰に投票するか決めておけばよいのでは、と思わないでもないですが、それを母に促すのもどうかと思うし、普通に読める人であれば投票所で候補者の名前を確認できるのに、そんな苦労をしないといけないのかと思ったり(そうであれば改善を求めればよいのかもしれないが)。

なぜ、そんなことを今回は考えてしまったかというと、7月19日新橋駅前SL広場でのれいわ祭2に行ったからかと思います(上記写真はれいわ祭2の模様)。重度障害者のふなご(舩後)さん、木村さんの演説では想像もしなかった障害者の日常について初めて知ることができました。例えば、車椅子が大きくて障害者用トイレに入れない、自立して学校?職場?に通うのにヘルパーはつけられないなど。もっと重要なことを言っていたと思うのだけど、初めて伺うことばかりで覚えておらず。ただ、法律を改正したいということだけは発言されていたはず。そして、私は、これは当事者が議会に出るしかないなと思い、比例はれいわ新選組に投票しました。

今回そのお二人が当選されました。以前、ALS患者が国会審議の出席を拒否されたことがありましたが(検索したら2016年のことでした)、今回当選したお二人の内、ふなごさんはALS患者の方です。リンク記事にあるように直接のコミュニケーションはヘルパーさんと口文字(ふなごさんの場合もこう呼ぶのかわかりませんが)で会話してヘルパーさんが通訳してくれます。その光景をれいわ祭2で初めて見ました。例えば、『ねこやま』と言いたい時は『あかさたなーにぬねー、あかーきくけこー、あかさたなはまやー、あかさたなはまー』みたいにヘルパーさんが五十音表を言った際に、本人は言いたい文字がきたら瞬きで教えるやり方みたいな気がしました。遠くから見たので瞬き云々は憶測でして、後から調べた音読文字盤のやり方かなと思っただけなのですが。

とても時間がかかります。時間はかかるのですが、それって時間がかかっても何かを諦めないということなんですよね。聞き始めた直後は時間がかかるなあと思ってしまったのですが、逆にいえば私の方が聞くことを諦めようとしているのかもしれないと気付きました。国会における議員の挙動(ヤジ、発言、態度、表情)をニュースで見るとうんざりすることもありますが、れいわ新選組のお二人と接することでせめて一人か二人くらいは人間性を取り戻してくれるかもしれないと思いたいです。そして法律が現状よりも少しでもマシになることを期待しています。

さて、投票に行くのが困難な人に話を戻します。

介護が必要な高齢者といっても、母のように在宅で一人で暮らしている人もいれば、施設に入っている人も。以下の記事によると、自治体の指定施設に住んでいる場合は施設内で不在者投票できている模様。が、同じ「施設」でも自治体の指定施設以外に住んでいる場合だと家族が連れていくしかなさそう。要介護4で家族が連れていくってかなり不可能な気がします。
高齢者の一票 高い「壁」 投票を支える制度を(東京新聞)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/201906/CK2019062602000204.html

また、私が通うオフィスビルには白杖を持った視覚障害者の人が何人か通勤しています。この記事では、慣れない場所に行くのを怖がって投票を諦める人もいること、郵送投票を認められる障害もあるが視覚障害については認められていないことがわかります。
<参院選>障害者の1票 なおハードル 全盲の男性、投票所への道「命の危険」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201907/CK2019071202000285.html

ちなみに、『視覚障害者 投票』で検索すると、点字でできる、できない、郵送投票できる、できないの諸説でてきて、どうなっているのか簡単にはわかりませんでした。
諸説あれこれは以下(いずれも新宿区のサイトですが)。
郵便等による不在者投票における代理記載制度
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/senkyo01_000005.html
代理投票・点字投票
https://www.city.shinjuku.lg.jp/kusei/file10_00005.html
何度か読んだら、郵送で代理記載の場合は点字はダメで、自分で行く場合は点字で投票できるということなのかと思っていますが、どうなのでしょう。

とダラダラと書きましたが、やはりインターネット投票を導入して欲しいですね。あるいは郵送投票の要件を緩和するとか。あるいは座れるブースがあって選管職員に質問できるとか。